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日歯が平成30年度診療報酬・介護報酬改定に関し,臨時記者会見を開催


 本年4月からの診療報酬改定は,診療報酬本体は+0.55%(歯科は+0.69%)として具体的内容は2月7日に答申され決定をみたが, 日本歯科医師会は同日,東京・市ヶ谷の歯科医師会館において,臨時記者会見を開催した.会見では,堀 憲郎会長から今回の改定に関する日歯の見解が述べられたほか,中医協(中央社会保険医療協議会)委員である遠藤秀樹常務から今改定での歯科個別改定項目の概要,また社会保障審議会・介護給費分科会委員である佐藤 保副会長から介護報酬改定の概要につき説明があった.

 診療報酬改定に関する日歯見解の要点は以下のとおり.

・日歯としては今改定に対して2つの重点項目を掲げて対応した.1点目は「口腔機能の維持・向上を図る歯科医療」について.これは口腔と全身の健康が密接に関わることを踏まえた視点での対応であり,ここには在宅医療推進,医科歯科連携推進,多職種連携推進等を含む.2点目は「歯科医療技術の評価が低く抑えられてきたことへの問題提起」である.これは国際的に鑑みても,わが国の歯科医療技術が長年にわたり低く抑えつけられてきたことへの問題提起であり,初再診料の医科歯科格差問題も含まれる.

・「口腔機能の維持・向上」に資する歯科医療の充実に関しては,口腔健康管理で注目されるのは“周術期”“高齢期”の口腔管理であるが,日歯としては“乳幼児期から生涯にわたる口腔健康管理”が重要だと認識してきた.今改定では「周術期口腔機能管理」に加え,小児期の口腔機能発達不全への対応が導入されたことは評価している.

・「かかりつけ歯科医機能」については前改定から積み残しの議論であったが,今改定の議論では日歯の考えを示し,“継続的な管理”に加え“地域連携の役割を担う”視点が議論された.これに関しては,前回から混同されがちであった「かかりつけ歯科医」「在宅療養支援歯科診療所」の棲み分けについて明確化できた.

・「医科歯科連携の推進」に関しては“患者情報の共有”の“共有”部分が評価されたこと,「在宅歯科医療」については,より専門性の高い議論がなされ,意義があったと認識している.

・「技術料評価」に関しては,わが国の歯科医療技術料が低い現状を日本歯科医学会が行ったタイムスタディー調査等の資料を中医協に提出し訴えてきた.十分な財源がない故に“あるべき評価”には及ばないものの,60項目を越える既存技術の評価・見直しがあったと把握している.このことは,臨床現場をとおして,国民により安心安全な歯科医療の提供となって現れるものと考えている.「初再診」についても十分とは言えないまでも一定の引き上げがあったと評価している.

 堀会長は最後に「会長就任以来,臨産学官一体となって歯科界全体の活性化を図り,新しい歯科医療技術,歯科医料機器,同材料の研究開発,それに基づく保険収載の推進を積極的に目指してきた結果として,学会からの医療技術評価提案ほか,先進医療からの保険収載,メーカー申請による保険収載が実現するなど,真に歯科界の活性化を実感するものとなった」と述べた.なお,診療報酬改定の詳細については,以下のHP(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000193003.html)を参照されたい.

 また,介護報酬改定に関しても「改定議論を通じ,保険・医療・福祉の関係者間で口腔衛生管理の理解が進んだ」とし,評価したものの,「デイサービスでの歯科医療の実施,介護保険部会への歯科医師の参加」は今後の課題であり,これからも積極的に取り組んでいきたいとした.

日本歯科医師会の見解を述べる堀会長.

診療報酬改定の概要を説明する遠藤常務.歯科に関しては,「医療連携の推進」「かかりつけ歯科医機能と地域連携推進」「在宅医療の推進」「口腔機能の維持向上をどのように対応するか」,の大きく4つの重点があるとした.

介護報酬改定の概要を説明する佐藤副会長.地域包括ケア推進,自立支援・重症化予防,多様な人材の確保など従来からの論点に加え,「介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保」という喫緊の課題について議論した,と述べた.

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